2012年2月 のアーカイブ

J-SAILING93号が完成しました

2012年2月29日 水曜日

J-SAILING93号の表紙(写真・平井淳一 photo by Junichi Hirai)

 

J-SAILING93号が2月25日に発行されました。
そろそろメンバーのみなさんのお手元に届く頃です。

表紙は昨年12月にオーストラリア・パースで開催されたISAFワールドでスター級に参加した日本艇 鈴木國央・和田大地組(和歌山セーリングクラブ・日吉染業)です。惜しくもこのレースでは国枠獲得はならず、5月の世界選手権(フランス・マルセイユ)にて再挑戦し、残り4枠をかけて戦うことになりました。

巻頭はそのISAFワールドに関するJSAFオリンピック特別委員会の山田敏雄委員長のレポートです。

また、「キールボートシリーズ-相模湾2012」と「大学対抗マッチレース」の2つのキールボートレース界の新しい動きについてレポートしています。
さらに、「全日本ミドルボート選手権」「パールレース」「JAPAN CUP」のレース概要、そしてゴールデンウィークに開催される沖縄-東海レースのエントリー艇紹介、タイのキングスカップに優勝したカラスチームのレポートもあります。

環境委員会が主宰する「JSAF海の絵画コンテスト2011」の全作品も掲載しています。

J-SAILINGは年に6回、JSAFメンバーに直接届きます。お届け先はメンバー登録時に記載された住所になりますので、住所の変更などがあった場合は所属の各団体へご連絡ください。なお、変更手続きの際にはメールアドレスを明記いただけますようお願いいたします。手続きの詳細は各加盟団体へお問い合わせください。http://www.jsaf.or.jp/dantai/

 

絵画コンテストの審査風景。17Pをご覧ください

 
 

2012年アジア選手権
420級女子の新谷つむぎ・馬渡凪沙組が3位

2012年2月28日 火曜日

420級女子3位の新谷つむぎ・馬渡凪沙組

2月19日~25日にかけてマレーシア(ランカウィ)で開催された2012年アジア選手権で、420級女子の新谷つむぎ・馬渡凪沙組(江の島ヨットクラブ)が3位になりました。

今回の日本代表選手は以下のとおり。

420(参加22艇、男子13艇、女子9艇)
男子 神木 聖・尾崎弦弥組(芦屋高校)
女子 新谷つむぎ・馬渡凪沙組(江の島ヨットクラブ)

OP (参加47艇、男子25艇、女子22艇)
男子 榊原健人(藤沢市青少年セーリングクラブ)
鈴木爽斗(葉山町セーリング協会)
女子 田中美紗樹(B&G兵庫ジュニア海洋クラブ゙)
須河内茉里(藤沢市青少年セーリングクラブ゙)

 

2月25日の大会最終日、選手たちは最終レース(各1レース)を前に緊張もなく、良い顔で出艇していきました。これまでレースの中で勉強し、成長した自分たちの集大成のレースです。

この日も酷暑の中の微風レースでしたが、420級女子の新谷つむぎ・馬渡凪沙組が3位を取り、全12レース総合成績3位、見事に銅メダルを獲得しました。

他の選手たちもベストを尽くしました。結果として、大会初日に感じた他国の強化加速に少し圧倒された形になりましたが、日本チームはレースを重ねるごとに大きく成長できたのではないかと思います。

男子OP級で優勝した韓国のKIM JUHYEONG選手は2014年の韓国アジア大会に出場するために強化されている若い選手です。2位、3位のシンガポールの選手も若く、中学1年生でした。さらに420級男女についても韓国アジア大会に出場できる年齢層の選手ばかりでした。

今回はアジアセーリング連盟とアジア地域の次世代セーリング競技発展のため、JSAFも寄与すべきとの趣旨により選手権へ参加しました。レースを通じアジア地域での我々次世代選手の立ち位置が少し見えたように思えます。

日本が行っているジュニア育成強化を今後もより推進し、その努力を続けていけばアジアの頂点として君臨できると思います。加えて、我々コーチ陣もしっかり現状を把握し、よりよい指導ができるよう精進していきたいという思いを新たにしました。(レポート&写真/JSAFオリンピック特別委員会・中村健一、編集/同・広報)

大会総合成績

420級男子 12艇

7位 神木 聖・尾崎弦弥 4-8-10-3-5-7-8-6-6-(OCS)-3-5

420女子 9

3位 新谷つむぎ・馬渡凪沙 5-4-(8)-1-2-2-1-2-6-4-3-3

OP級男子 20艇 

15位 榊原健人 13-(OCS)-17-16-15-15-11-18-5-9-14-9

16位 鈴木爽斗  9-7-7-(19)-18-6-17-16-11-19-19-18

OP級女子 22艇 

7位 田中美紗樹 15-14-12-(17)-10-8-7-4-1-3-6-5

12位 須河内茉里 7-8-16-(18)-18-7-8-5-5-14-11-13

 

大会公式HP

http://sites.google.com/site/kedahsail/home/asian-sailing-championship-2012

外洋系委員会・全国合同会議2011 報告

2012年2月16日 木曜日

外洋系委員会・全国合同会議2011

 

2月4~5日、JSAF外洋系委員会・全国合同会議2011が宮城県・松島で行われました。

 会議には外洋計測委員会・外洋安全委員会(外洋艇推進グループ)、レース委員会・ルール委員会(競技推進グループ)のレース主催にかかわる委員会、外洋総務委員会(外洋艇推進グループ)、国際委員会(競技推進グループ)、そして今年度新設されたたキールボート強化委員会(普及強化推進グループ)、加えてJSAF加盟団体および特別加盟団体が参加しました。

 

外洋系委員会・全国合同会議開催の主旨 

JSAFと統合する以前のNORCは各地の支部を含めた全国で一つの団体であり、その下に各地の支部がありました。しかしJSAFとして統合した後、各地の支部はJSAF加盟団体というそれぞれが独立した団体となり、組織上の関係はなくなりました。

 その結果、加盟団体が外洋艇レース主催に関する情報をまとめて得られる場がなくなり、外洋加盟団体を横に貫く会議は各委員会にしか存在しないという状況になりました。委員会はそれぞれに会議を開催していますが、すべての委員会に出席しようとすると加盟団体は何度も出張をせねばならず大変に不効率で、会議の出席率も低くなり、規則や規定の運用の全国的な周知に支障をきたすようになりました。このような状況を打破すべく、合同会議が実施されることとなったのです。

 加盟団体から少なくとも1人が出席すればレース開催に必要な情報をすべて得られるワンストップサービスのような会議をめざしています。加盟団体の負担を軽減し、出席率を増やし、すべてのJSAFメンバーに情報が伝わることが一番の目的で、さらには委員会同士の横の連携を強め、効率的で矛盾のない情報発信を行う目的も持っています。

 

会議の内容

会議は「レース基本部分の標準化」を図り、「公平感のある円滑なレース運営」を目指すことが目的です。そのため、各委員会から「各種規則や規定のポイント」、「統一された見解」などの説明、「主催者(加盟団体・特別加盟団体)の役割」が発表され、質疑応答に応えるという形を取っています。

 今回の会議では、各委員会に関連する規則や規定の運用上のポイント、委員会の活動実績、今後の予定などが発表され、質疑応答がされました。とくに今年度改訂が行われるJSAF外洋特別規定に関しては活発な質疑応答がありました。

 また、河野博文JSAF会長が会議に出席され、「この会議にも積極的に参加し、現場のメンバーと一緒に活動し、少しでもJSAFメンバーや艇登録数を増やし、現場で活動する方々の手助けをしたい」と発言されました。

なお、具体的な会議の内容や議事録はJSAFホームページや所属する加盟団体からの発表を確認してください。

 

次回は沖縄県の予定

今回の会議は宮城県・松島で開催されました。

東日本大震災により開催地の変更が検討されましたが、宮城県連(宮城県の外洋艇は県連からの登録)の尽力もあり、また被災地の復興支援という意味を込め、予定どおり開催されました。初日夜に開催された懇親会には宮城県連の方々も出席され、ディンギー、クルーザーの垣根なくセーリング界の将来に対して多くの議論がかわされました。

 JSAFの会議のほとんどは関東で開催され、関東以外の加盟団体の出席者には移動にかかる時間や費用などの多大な負担を強いています。そのため、この会議は関東以外の場所で開催することを原則としています。次回は2013年2月に沖縄県での開催を予定しています。2011年度に県連から独立して加盟団体となった外洋沖縄のみなさまにお世話になる予定です。(文責:外洋系委員会・全国合同会議 2011年度幹事 外洋安全委員会委員長 大坪明)

「海が燃えた日― 究極のヨットレース、アメリカズカップに挑戦したニッポンチーム」

2012年2月7日 火曜日

発行・舵社、A5版・上製232ページ、価格2100円。本書の売り上げ印税はJSAFを通じて、東日本大震災地のセーラーに寄付されます。全国の書店で購入可能です。

 

 山崎達光JSAF名誉会長、武村洋一JSAF前事務局長の共著による書籍「海が燃えた日― 究極のヨットレース、アメリカズカップに挑戦したニッポンチーム」が上梓されました。

  タイトルを読めば内容は一目瞭然。過去、3回にわたってアメリカズカップに挑戦したニッポンチャレンジの活動を山崎氏と武村氏が書き留めたものですが、しかしそれだけにはとどまりません。

本書の構成は3章に分かれており、武村氏による第1章「アメリカズカップとニッポンチャレンジ小史」には、簡潔な文章でこの2つの歴史的な流れがまとめられています。ニッポンチャレンジに関しては歴史だけではなく、その成り立ち、戦いの経過、クルーたちの成長の様子、挑戦の意義などがまとめられており、この章だけでアメリカズカップやニッポンチャレンジの概要が手に取るようにわかります。

第2章「ニッポンチャレンジはこう戦った」は、ニッポンチャレンジの立ち上げから3回の挑戦の流れが、山崎氏の「今だから話せる」といったエピソードをまじえて綴られています。あのとき、そんなことがあったんだ、とびっくりさせられる内容の話もあり、興味津々で一気に読んでしまいます。

  そして第3章は「なぜ挑戦しないのか!」。実は本書のキーワードは「挑戦」なのです。1992年、95年、2000年と3度の挑戦を行なったニッポンチャレンジにつづく日本からの挑戦を熱望する著者2人の熱い思いがこの章にあふれています。
本書には河野博文JSAF会長の序文が寄せられており、そこには「(本書は)私には、私たちヨット界の後輩への檄に思える」とありますが、まさに正鵠を射ています。シームレスなセーリングを目指すJSAFの活動の行き着く先のひとつがアメリカズカップ挑戦であれば、そしてそれが常に目標の中にあれば、ベテランセーラーの夢を若いセーラーに継いでもらえることでしょう。

  奇しくも2012年はニッポンチャレンジがアメリカズカップ初挑戦を果たした1992年から数えて20年目にあたります。本書をきっかけに、日本のセーリング界のアメリカズカップ挑戦の意義をもう一度考えてみたいと思います。