2010年3月 のアーカイブ

同志社ウィークヨットレース。
学生OBが主催するユニークなレースです

2010年3月14日 日曜日

同志社ウィークの開会式

学生OBが主催するユニークなレース、同志社ウィークヨットレースが3月12日~14日にかけて滋賀県柳ケ崎ヨットハーバーで開催されました。琵琶湖から届いたホットなニュースをご紹介します。

同志社ウィークは、同志社大学体育会ヨット部OB、OG会=鯨会(くじらかい)が主催するオープンヨットレースです。今年で、28回目を迎え、今大会は470級、スナイプ級ともに63艇、計126艇がエントリーしました。

同志社ウィークは、28年前、オリンピック強化拠点校であった同志社大学が、西日本のセーリングレベルの向上のため企画した大会でした。ヨットレースを通じた「交流」がテーマとなっています。インカレを終えた四回生が、卒業前にレーサ―側の感覚で自主運営する珍しいイベントです。もちろん、近畿北陸の学生、OB、OGの皆さんもボランティアスタッフとして参加いただく文字どおりの手作りの大会です。

今年も470級、スナイプ級ともに各一チーム招待選手の参加をいただき、レース前夜の3月12日、講習会と懇親会を実施しました。同志社大学艇庫には220名の関係者が集まり、社会人選手と学生が食事をまじえて交流しました。

レースは、3月13、14日と行われ、不安定なコンディションでしたが、各3レースが消化できました。

3月13日のレース初日は、小雨の風待ちのあと出艇、南西の4メートルの風でスタート。途中、北東へ180度変わる琵琶湖ならではの展開となりました。2レース目は北東の風3メートルでスタート。今回は、スタート後、北にシフトし、左右で順位が分かれました。翌3月14日は、北の微風、コ-ス短縮となったものの、上位は手堅く順位をキープしました。

スナイプ級第1レース、サイドマークのトップ艇回航シーン

結果、470級は慶応大学の小谷龍太郎・小山晋平組がチャ-ター艇にもかかわらず社会人を抑えて優勝を勝ち取りました。

スナイプ級は、招待チームの白石潤一郎、上田真聖組が圧勝しました。シーズン初めで、トップグループとの差が大きく、15分のタイムアロアンスでDNFとなる艇も出ましたが、実力差を実感し、課題確認の絶好の機会となりました。

閉会式では、優勝盾とともに、協賛いただいた㈱ジブ、ハーケンジャパン㈱、プーマジャパン㈱から、副賞、参加賞が贈られました。来年も3月中旬に開催予定です。ぜひ、ご参加ください。( 水上真吾)

同志社大学体育会ヨット部http://www.duyc.com/

470級の招待選手、高橋・伊藤組

470級第2レースのトップ艇、慶応大学の河合・小川組

セール講習会の様子

まだ、エントリーできます!
沖縄-東海ヨットレース2010ホームページのご紹介

2010年3月13日 土曜日

今年、久々に開催される沖縄をスタートする長距離外洋レース「沖縄-東海ヨットレース2010」のホームページが開設されています。

JSAF外洋東海ホームページの右下にあるLinksの「沖縄-東海ヨットレース 2010」から入るか、下記のURLでアクセスしてください。JSAFホームページのサイドバーからも入ることができます。http://okinawa.toscrace.jp/

沖縄の宜野湾港マリーナ沖から蒲郡のラグナマリーナ沖へのおよそ720マイルの本レースには、現在、12艇のエントリーがあり、エントリー艇の紹介ページも用意されています。レイトエントリーの締め切りは3月31日。まだ間に合います。
ぜひ、ホームページをご覧ください。

レース概要
日程:2010年4月29日(木)11:55 スタート予告信号
5月05日(水)16:00 フィニッシュラインの維持
5月09日(日)12:00 タイムリミット
コース:沖縄・宜野湾沖→三河湾・ラグナマリーナ沖
部 門:IRC部門(ノーマル以上)、ダブルハンド部門(IRCノーマル以上・ショートハンド)

セーラーと棋士との稀有な出会い。
白石康次郎さんの本が出版されました。

2010年3月8日 月曜日
面白い視点の本が出ました。

白石康次郎さん(海洋冒険家)と羽生善治さん(棋士)の対談を編んだ『勝負師と冒険家/常識にとらわれない「問題解決」のヒント』です。

白石さんに関してはJSAFメンバーなら誰でもご存知。2007年の5OCEANS(ファイブオーシャンズ、単独世界一周ヨットレース)で2位になった様子は、J-SAILINGでもレポートしました。かたや、羽生さんは現在、名人、王座、棋聖、王将の四冠であり、通算タイトル獲得数は歴代2位という棋界の大御所。

対談を通して、羽生さんは「野生の勘を持つ」と白石さんを評し、白石さんは羽生さんを「頭脳のアスリート」と言います。そうした2人がこれまでの人生のハードルをいかに乗り越えてきたのかを、かたや冷静にかたや情熱的に語ったのが本書です。

白石さんが5OCEANSの様子をこれまでにない側面から語る部分はセーラーとして興味津々。いつもと変わりない康次郎節が至る所で炸裂します。一方、将棋という世界の内側を静かに語る羽生さんの発言はクールですが、その視点には人に対するやさしさが垣間見えます。

まったく畑違いの2人の対談なので素朴な質問が飛び交いますが、お互いにていねいにわかりやすく対応するさまは、優れたプロの姿勢です。第4章「社会に対して価値を生み出せ」では、ややもすると社会から遊離しがちな世界に身を置く2人が、どのような形で社会にコミットしていくかの覚悟が見えてきます。

この本に期待したいのは、羽生さんのファンが本書を手にして、これまでまったく縁のないヨットというものを少しでも理解してくれることです。そして、逆もまた真なり。JSAFメンバーのみなさんもこの本を読み、将棋という頭脳のスポーツに興味をもたれることになるかも知れません。

「勝負師と冒険家」(東京経済新報社・刊。白石康次郎、羽生善治・著。本体価格1500円)

一気にヨットが見られるボートショー

2010年3月6日 土曜日

白石康次郎さんのトークショーがステージで開催されました

3月7日までパシフィコ横浜で行われている「ジャパンインターナショナルボートショー2010」に展示されているセールボートをリストアップすると、下記のようになります。

ディンギー
ミラーディンギー、スマートキャット(4.3mインフレータブル・カタマランディンギー)、ホビーブラボー(3.66m)、認定前のミラーディンギー(セールナンバーを取得する前はミラーディンギーと言ってはいけないそうですが・・・)

デイセーラー
ポケットシップ15ftデイセーラー(キット製作可能な合板艇)、アクタス(4.96m デイセーラー)、コンパック

セーリングクルーザー
オセアニス34、ファースト35、サンオデッセイ33i、サンオデッセイ42DS、デイセーラーマークⅡ、デルフィーナ292、バーバリア31、バーバリア35、ハンター31、ハンセ320、ムーディー45DS

その他
サバニ帆船、エオラス号(間寛平さんがアースマラソンで使用しているヨット)

マストが立っていたり、帆が上がっているとついついそちらの方へ足が向いてしまいますが、それ以外に気になったのが「Ocean Fry」。免許不要の2馬力船外機を搭載するカーボン製の折りたたみ式1人乗りボート。レーシングカーの開発を手がける株式会社童夢がリリースした製品です。http://www.dome.co.jp

もちろんJSAFもブースを出しています。ボートショーへ来場の際はJSAFブースにお立ち寄りください。

エオラス号の見学には45分待ちの列ができていました

「Ocean Fry」。全長2535mm、船体重量19.4kg

視覚障害者ヨットの世界選手権。
2013年、日本開催を発表!

2010年3月5日 金曜日

昨年の世界選手権ではセンターボーダーのノエレックス25が使用された(photo by JBSA)

特定非営利法人 日本視覚障害者セーリング協会(JBSA)は、2013年、日本で「第8回視覚障害者ヨット世界選手権」を開催することを発表しました。大会規模、レース海域、日程などの詳細は未定ですが、2013年の秋ごろ、相模湾での開催を予定しているとのことです。

3月5日、ボートショー会場の特設ステージで行われた発表会では、JBSAの安達文洋理事長、飯島賢司副理事長、瀬川紀之事務局長が日本開催に至った経緯、大会イメージ、ブラインドセーリングの特徴などを映像をまじえて説明しました。

ブラインドセーリングの世界選手権は2人のブラインド(視覚障害者)セーラーがヘルムパーソンとメインシートトリマーを担当し、ジブシートトリマーとスキッパー(口頭で情報を伝えるのが役目)をサイテッド(晴眼者)セーラーが担当します。

レースでは7m前後の同一デザイン艇を使用しますが、艇種は主催国の状況に合わせて異なります。昨年、ニュージーランドで行われた第7回大会には10カ国19チームが参加し、全15レースで競われ、日本は国別対抗で3位に入りました。

ブラインドセーリングの魅力は視覚障害者と健常者がチームを組んで、ボートのベストパフォーマンスを引き出すところ。安達さんはその魅力を「風は誰にも見えません。だから、健常者にとっても視覚障害者にとってもセーリングはとてもすばらしいスポーツ。いち早くいい風をつかんだときは爽快です」と語ってくれました。

JBSAでは世界選手権の協力者を募集しています。詳細は日本視覚障害者セーリング協会のホームページ http://www.jbsa.jpをご覧ください。

参考:昨年、ニュージーランドで行われた世界選手権の様子はJ-SAILING77号でレポートしています。

昨年の日本選手団は総勢20名となった(photo by JBSA)

ボートショーで概要を説明する右から瀬川さん、安達さん、飯島さん(photo by J-SAILING)