レース中、クジラと遭遇!

網走帽子岩~二つ岩レース中に鯨を発見

北海道の網走セーリング協会のホームページにヨットの間近かを併走するクジラの写真が掲載されています。同協会メンバーの榊原宏洋さんにその時の様子をレポートしていただきましたので、写真とともにご紹介いたします(編集部)。

6月20日、ヨット4艇での親睦ミニレース中、網走市二ツ岩沖折り返しマークを回航して先行艇を追い上げていると、陸に近い海域で背びれを出したクジラを目撃しました。

すぐに各艇に連絡すると、各艇もそれぞれ違う方面を指さしクジラを追いかけていました。僕たちのJ24もクジラに少しでも近づこうと舵を取ると、「ひぃ~ひゅ~う~」と歌うようなクジラの鳴き声が。クルー全員が声の方を向くと、J24のポートガンネルの真下(横)に、艇影のように並泳していました。

遠くで跳ねたりしているイルカ、クジラ、シャチは何回も見ていますが、今回は一瞬声が出ないほど感動の出遭いでした。その時は写真を撮るのもすっかり忘れていました。

そのクジラがゆっくりと海中に潜ると、二回りぐらい小さなクジラがバウやスターンに現れました。他艇の周りでも同じようなことが起きていたみたいです。

しばらくすると、「しゅわしゅわしゅ~、しゅわしゅわしゅ~」という音とともに海面がざわめきだし、小魚の大群が右往左往しだしました。クジラもあちこちで背びれを出し、えさの捕食を始めたのかなと思うような光景が繰り広げられました。

でも、ミンククジラだとしたら、ひげクジラだからオキアミのようなプランクトンを食べるのではないのか? 歯鯨なら黒い体に、白い手びれだし? などと考えていたのですが、後から聞くと、ひげクジラも、さんま、イワシ、小魚、時にはサケやマスも食べるとのこと。やっぱりあれはミンククジラだったようです。

漁師によると、知床羅臼側にシャチが大量に入り、クジラやイルカが知床から網走方面に大挙してやってきたのではないかということです。クジラが来ると魚がみんな食われてしまうとも言っていました。

僕が子どものころ「ぼぉ~っ、ぼぉ~」と汽笛の音でクジラの陸揚げ、解体の作業が浜で始り、洗面器、バケツを持ってもらいに行った記憶があります。クジラの油は消化が悪いので、よくおならとともに油も出てパンツやズボンを汚した(笑)などと記憶しています。僕らの小さいときは肉といえばもっぱらクジラ肉でした。

ちなみに、網走は太古の昔からクジラの町です。日本4大捕鯨地の一つです。食文化を含め、何かいい共存共栄の方法を見出していかなければ、生態系も乱れていきますね。

なお、網走セーリング協会はディンギー12艇、クルーザー15艇、会員35名で構成される(多分)日本最北のヨット協会です(写真とレポート/網走セーリング協会・榊原宏洋さん)。

http://www.ne.jp/asahi/abashiri/asa.jp/index.html

レースを忘れてクジラウォッチング

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