沖縄・東海レース2010
ファーストホーマーGUSTの平野恭行艇長にインタビュー

GUSTのメンバー。右端が平野恭行艇長(photo by Noriyuki Suzuki)

沖縄・東海レース2010にファーストホームした<GUST>の艇長 平野恭行さんに、フィニッシュの翌日(5月5日)、電話でインタビューしました。

スタート前のゲームプランは、「まず、安全第一。そして、大型艇にどのように対抗するかを考えて走ろう」というシンプルなものだったといいます。ただ、コースに関しては「スタート前に決めていた」とのこと。というのも、回航メンバーが奄美諸島のあたりを通過したときに逆潮を確認したため、スタートしてからは東寄りのコースを引こうと決めていたということです。

これが「たまたま功を奏した」というわけで、西側をとった艇団を置き去りにし、奄美大島あたりからトップを走り始めはじめました。クルーの中から笑みが出るようになったのは九州の南部に達した辺り、後続艇を40マイルほど離した頃から。その後、蒲郡と後続艇団の間にいる限りは安心と考えて、無理をせず、博打は打たず、たとえ1、2ノット艇速が遅くとも、あせらずに走っていこうという方針を立てました。

同艇のレース・メンバーは3月頃に決定しました。まず、スキッパーとして高木裕さんが決まり、次に豊田哲郎さんが通信担当として、そして<パラフレニアン>に乗る大東信幸、小菅広司の両氏が決まり、最後に原健さんが決定。そして艇長の平野恭行さんという陣容です。「でも、みんなでいっしょ乗ったのはこのレースが初めて」とのこと。また、オーナーの青山耕三さんも乗艇の予定でしたが、スタート当日、都合のため急遽、乗艇できなくなりました。

今回、日本のヨットレースで初めて採用されたOCトラッカーをスマートフォンでチェックしつつ、全体を把握しながらレースができたのでとてもやりやすかったと平野艇長。「長距離ヨットレースを面白くしてくれる素晴らしいツールですね」

レース中、常に朝凪、夕凪につかまり、熊野灘沖で4時間ほど風速2、3ノットの時があったときも、「それほどイライラしなかった。食料はたっぷりと積んでいましたから(笑)」といいます。一方、四国沖で17~18ノット吹いたときが最高風速で、大型艇の動向が気になったということでした。

「無事にフィニッシュできたことが最高にうれしい。安全第一を考え、整備に時間と費用をかけていただいたオーナーに感謝したい」と平野艇長。フィニッシュ時、青山オーナーが迎えに来て、「(ファーストホームするなんて)とんだことをしてくれたな。これでやめるにやめられんことになった、次もやらんといかんな」と言われたのが印象的だったとのことでした。

沖縄・東海レース2010 http://okinawa.toscrace.jp/

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